お客様のアップライトピアノをお預かりして、塗装と全弦張替の修理をしました。

U7は1970年代に生産されていた豪華なピアノで、チーク材を化粧板としてあしらい、内部は総アグラフを装備しています。とてもしっかりした作りで力強く堂々とした音を聴かせてくれます。調律師の村上さんによる著書「いい音って何だろう?」によれば、来日したイタリアのピアニスト、アルトゥオーロ・ミケランジェリ氏の宿泊先であったホテルニューオータニへ持ち込んでお貸し出ししたそうです。

今回の修理は、最初に外装の塗装、はがれた化粧板の補習を行いました。一度上から塗装されたようで着色された色を完全に落とすことは出来ませんでしたが、表面は整えられたので大分きれいに出来たと思います。

そして全弦張替はドイツ製の芯線と銅線を使用して行っています。チューニングピンはかなりしっかりとしたトルクだったので、今回はそのまま使用しています、ピン味の固さはバッチリです。

ちなみにU7のチューニングピンは打ち込みの深さが6段階に調節されているところに細かいこだわりを感じています。

納品までまだ時間があるので、調整と調律を繰り返していきます。