ピアノは木製の楽器なので、湿度が高すぎると様々な不具合が起こりがちです。高湿度で起こりやすいピアノのトラブルには、以下のようなものがあります。

・押した鍵盤が戻ってこなくなる
・音が出なくなる
・木材の接着が剥がれてくる
・金属の錆

このように、ピアノのメカニズムや構造が損なわれてしまうと、演奏することすらできなくなってしまいます。沖縄は亜熱帯性気候で湿度が高いため、ピアノの湿気対策は必須となります。

おすすめしている対策は3つです。

  1. 除湿機
    部屋全体の空気を乾燥させるため、ピアノの外側だけでなく内部までしっかりと除湿できます。ほかにも、壁紙やソファー、カーテンなど家具や室内の湿気対策にもなります。エアコンの除湿モードは一時的に冷やすため結露の心配があり、除湿機ほど効果的ではありません。24時間除湿器を稼働できできなくても、日中自宅が無人になるとき、夜寝る時だけでも効果は期待できます。
  2. 防湿器
    ピアノの内部にヒーターを設置し、直接ピアノを乾燥させる機器です。アップライトピアノには有効ですが、グランドピアノの場合は構造上ヒーターの熱が行き渡らないため効果は限定的です。過去にメーカーに直接質問をしたことがあり、それによると本来の目的は温湿度環境を一定に保つことで、スティック(鍵盤が戻らない状態)を防ぐのは副次的な効果だそうです。消費電力が小さく安全性も高いため、特に日中窓を開けて換気をしたい方にはおすすめの選択肢になります。
  3. 除湿剤
    沖縄の高湿度のためか、ピアノ用の除湿剤の効果は限定的です。使い方を誤ると、かえって剤の液漏れでピアノを損傷してしまうリスクもあります。一度液漏れして修理が大変になったこともあるそうです。当店では除湿剤はおすすめしてません。

ベストな対策は24時間稼働できる除湿機です。電気代が気になる場合は消費電力の少ない防湿器も良いです。地域の環境に合わせて、専門家に相談してみてください。