長いことお世話になっているお客様のピアノの調律へ伺いました。南国ピアノスタジオに通っていて、グランドピアノをオーバーホールさせていただいたこともあった方で、かれこれ10年近く知っているでしょうか。
そんな長いお付き合いをさせていただいている方が、教育現場に携わることになり、娘の教育環境にもかかわりを持つことからとても勉強になるお話を聞かせていただいたり、また保護者の視点からのお話をさせていただいたり、とても有意義で濃厚な時間を過ごさせていただきました。
そんな彼は、ピアノも好きでありながら、書道への情熱をかなり長い間注いできたひとでもあります。私などは習字を小学生のころかじった程度だったので、習い事の一つでしかありませんでしたが、書道というのは立派な芸術であり、探求と自己表現ができる分野であることをレクチャーしていただきました。
古典的な書を研究し、模写する(確か専門的な表現の言葉があったと思います)。しかし文字の形だけを模倣するのではなく書家がそこへたどり着いた経緯や生み出した意図などを情報収集し、一つの作品として極めるという行程は、クラシック音楽の演奏家が作曲家の意図を楽譜から読み取り再現することにとてもよく似ていると教わり、また自分も視覚的に訴える芸術にそのような背景があることに驚きました。
人は五感のアンテナを張り巡らせて、様々な場面で感動するのでしょう。今日は全く知らない分野での感動の種類を知り、貴重な時間を過ごしました。ありがとうございました。