先日、修理工房にて調律中に、ふと思い出して以前使っていたチューニングハンマーを出してみました。今は軽量ハンマーを使っているので、重さのギャップに驚きました。チューニングピンから外すと重みで手が下に下がってしまうのです。宇宙飛行士が地球に帰還したときの感覚はこういうものなのかな、と思いました。
今でこそ木製の柄から金属の棒が伸びていて、直角より若干開いた状態にチップが向いているというスタイルですが、はるか昔のものは本当にトンカチのような形状をしていて、見るからに「ハンマー」だったようです。だから重くて当然で、軽いものは本当にごく最近のもの。時流に乗れたといえば聞こえはいいかもしれませんが、言葉を変えれば腕力を退化させてしまったようで微妙でもあります。
理想は「弘法筆をえらはず」。どんなチューニングハンマーでもどんと来い、の精神で行きたいです。
さて、カワイのグランドピアノは化粧の貼り付けが終わり上から塗装しました。全体的にバフ掛けしたら、あとはフレームも塗装します。