今日調律にお伺いしたお客様は、今度引っ越すに当たって所有しているアップライトピアノを処分して、デジタルピアノに交換したいとのこと。最近はテクノロジーの発達のおかげで電子ピアノもかなり良いそうですね、と聞かれたので、どんなに電子ピアノが良くなっても、生のピアノを模倣してどんなに生ピアノに近っいても、生ピアノより良くなることはありません、とお話ししました。それは理解してもらえたものの、お客様にとって、生活の中でピアノがどれほどのウェイトを占めるのかは人様々です。せまい部屋に高級なピアノを置く人もいれば、豪邸に高級車を持ちながらも家のアップライトピアノは古く調律もぜずに長年放置している人も。新品の高級ピアノをポケットマネーで買って、1〜2年程度でやめたから邪魔だと売りに出す人もいれば、一生懸命ためた20万円で買った30年前の中古ピアノを毎日弾いて楽しむ人…。いろんなピアノとの向き合い方を見てきましたが、愛され親しまれているピアノは良い音を奏でると思います。今日のお客様のピアノも、年式の割に綺麗な音でした。ご家庭の事情などあるかもしれませんが、いつまでも大切にしてもらえればと切に願います。
グランドピアノオーバーホール前の作業計画を立てました。事前に必要な部品とその寸法をチェックしておきます。
今回のお客様は湿気対策を徹底しておく必要があるため、バックアクションのフレンジは木製に交換する予定です。ウイペンフレンジもプラスチックですが、こちらは様子を見たいと思います。