本日のお客様は沖縄でお初にお目にかかります、イースタインというメーカーのピアノです。日本のピアノ100年という本があって、そこに登場した杵淵さんというピアノ調律師さんが立ち上げたピアノブランドです。単身ニューヨークのスタインウェイ工場に飛び込み技術研修を受けたというエピソードもあり、ピアノ製造に並々ならぬ情熱をかけた人生を過ごされたのだと思います。
そのイースタイン、見れば中はユニークに富んだ作りになっていました。まずはマフラー。この作りは初めて見ました!ネジによる固定がなく簡単に脱着可能。マフラーは調律のときに必ず外すものなので、これはとても便利です。今までカワイの1980年代半ばくらいのものが一番扱いやすいと思っていましたが、こちらのスタイルには驚きました。
そして弦の張り方。断線があったので下を見たときにびっくりしました。ピアノの中音域から最高音までは、通常三本の線で一つのキーを鳴らす構造になっています。ちょっと言葉では説明しづらいのでとりあえず写真の仕組みは珍しいということで割愛させてください。どうしても気になる方には修理工房で実際の違いをご説明いたします。
断線、スティック、ピンズルなど、不具合も多かったではありますが、なんとか演奏に耐える状態に持っていくことができました。楽しく弾いてもらえればうれしいです。