写真はアメリカから来た逆輸入ピアノです。製造番号の付け方も独特です。おしゃれなデザインとかわいい音色のピアノでした。
さて、本題はグランドピアノの調整です。鍵盤の重さに悩まされているお客様。何とかならないかとご相談をいただき行ってまいりました。
タッチの重さを単純に計測するときに、鍵盤の先におもりを乗せて、何グラムで沈むのか調べます。重い鍵盤は60グラムを超えることもあるし、軽いものだと45グラムかそれより少し軽いくらいです。今日のお客様のピアノは47グラムで、ピアノとしては特に重くはない状態だったと思います。計算により湿度の影響が大きくないことも確認しました。
さて、「重い」というのはお客様の表現で、その原因が本当に「重さ」なのかを見極めるには測定すればよいのかというとそうでもないです。単なる重量にとどまらず、弾きやすさ、耳に入ってくる音などがからんでくるからです。ピアノを技術的な視点で解釈して調律師に問いかけてくれるピアニストさんはそうそういません。だからといって構造などの技術的な視点でピアノを見てもらえるように楽器を理解してもらうのは、ピアニストさんにとって相当な労力です。
今回は実際にピアノに触っているお客様と実際にお会いして状況をお聴きしてから作業しました。おおむね考えられる原因を解決させて、実際にピアノを触ってもらい、状況は改善したとの感想をいただきました。
自動演奏の機械が取り付けられているピアノだったので、それを外すのがいいのか、もしくは鍵盤の鉛調整をするのかなどの話もしましたが、基本的には改造は加えず基本的な調整で済ませるのがベストと考え実行しました。結果、その範囲内で済ませられたのは良かったと思います。
タッチは難しいです。