昨日今日は1990年代、2000年代に製造されたピアノを調律させていただく機会に恵まれました。
南国ピアノでは、いわゆるビンテージに属するようなピアノを特に好んで修理・修復して世に送り出すことに力を入れています。開業当初はお金もないので安く手に入る中古ピアノの修理から始めたし、再生可能なピアノの古さの限界を知りたかったから。後にそれは90年前のアメリカ製のピアノの修復を経験したことと、アメリカの技術書に「どんな古いピアノでも100%修理は可能」という一文で解決しました。さらにいろいろなピアノに出会っていく中で、そのピアノが生まれた背景、生きてきた背景といったような歴史的ロマンも影響しますます好きになっていきました。
しかしそれは一方的な視点であることを後に知りました。新しいピアノを楽しむ人たちにはそれ相応の理由と目的があり、好みとしてこれらのピアノの音を楽しんでいることも感じました。話せばたくさんあるのですが、こういった話題に耳を傾けてくださったピアニストさんにとても感謝しています。
なので、昨日今日触ったピアノの調律は楽しく作業をさせていただきました。
どんなピアノでも奏でれば同じ音楽。
ピアノの製造は産業ですから、時代とともに少しずつ変わってはいくけど、その変化に甲乙はつけずどのピアノにも同じように親しんでいければと思いました。