塗装剥離のグランドピアノです。本体の剥離が終わったものの、移動手段がないので次は脚の塗装を剥離しました。一枚目は出来上がりの状態で、細かいのが取りきれていないです。とりあえず全部剥離したら後ほどもう少し頑張ろうと思います。
2枚目の写真を見ていただくともともとどういう状態だったのかがお分かりいただけるかと思います。ペンキをハケで塗ったようです。沖縄には、このように我流でピアノを塗装した例がたまにあります。まあ、古いピアノだとその文化的価値はわからないだろうなあ。はがしてみると、良いピアノだったことがよくわかるんですけどね。でも、このピアノを完全修理するかどうかを判断するには、もう少し検証が必要です。
さて、工房の仕事もしつつ、最近はピアノの先生もしております。コード弾きです。今日の生徒さんはシニアの方です。私が教室のサイトにアップした動画を見て「これだ!」と思ってくださったらしく、習いに来てくださっています。
私のピアノレッスンは大人の人ならばみんな最初の1曲目は決まっていて、それをコードとメロディだけの情報を元に自分で演奏を作ることを体験してもらいます。同じ曲だけど、結構皆さん違うアプローチをしてくるところが面白いです。でも曲として成り立っている以上は間違いではないので、細かいことは突っ込みません。
この生徒さんは、中学生くらいのときにピアノを習った経験があるそうで、実際に弾いてみると吸収の速さに驚きました。さらに驚いたのは手の形ができていて、いわゆる卵を持つような形や、鍵盤の押し方も初めてのようには見えない弾き方でした。体って覚えているもんだな~、と感心しました。本人は全然自覚がなかったようですが。
ピアノ調律師として、これまで多くの方にお仕事をいただいてきました。ピアノを買ったときの喜びようをたくさん見てきた分、感動をいただいてきましたが、ある日唐突に訪れる「ピアノをやめた後の扱い」の残酷さも見てきました。せっかく高額なお金を出して買った結果がこれでは悲しすぎる、そう思い、長くピアノを続けてもらうには、というテーマで色々調べたり、ピアノの先生やお客様たちと意見交換したりしてきました。私には娘が3人いて、それぞれがバイオリンを習っています。ピアノではなくバイオリンを選んだのは、持って運べる楽器にあこがれていたからです。長女は中学に上がり、今では聞いた音楽はすべて音名で言えるし、あるメロディーに対してハモれるし、最近一番驚いたのは、チューナーに向かって「ラ」を歌わせたらほぼ440Hzぴったりでした。自分が教えたわけではないけど、そうやって育ってきた過程を見てきたから、それを周りの人々に伝えたいと思うようになりました。今は大人だけですが、これからはお子さんともレッスンをやっていこうと思っています。
音楽を学び、個人差はありますが、自分で作ってアレンジしたりできるようになったら、人生に大きな影響を及ぼします。今日、メンタリストDaiGoさんの動画を見て(というより作業しながら話を聞いてました)なるほどな、と思ったのでこちらを紹介しておきます。
それではまた。
ご一読ありがとうございました。