新年、あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、楽しいお正月をお過ごしでしたでしょうか。
さて、年初めはいくつかの事務作業を片付けることから初めて、年末にピアノ教室から出荷したグランドピアノの代わりを持っていくべく、ピアノの調整から始めました。
このグランドピアノは、YAMAHAのNo.20というオールドピアノで、製造はなんと1952年。2019年で67歳のピアノです。ワインカラーの木目調で、これは製造からのオリジナルではなく塗り替えられたもの。弦もハンマーも好感されている、オーバーホール済みのピアノです。ただし、弦のさびなど劣化もあり、だいぶ前にされた作業であることがうかがい知れます。
当店はピアノのオーバーホールをするとき、なるべくオリジナルの状態を残して再生することを心がけています。過去には、黒いピアノを木目調にしたり、まっすぐ足を猫足に変えたりもしましたが、いかに忠実に再現するか、を意識しています。
しかしこのピアノは色々改造が加えられているため、オリジナルの状態を把握することが困難です。過去に同じピアノを修理した経験があればデータ使えるのですが、今回はほとんど手探りとなります。
特に鍵盤のタッチが困難でした。交換されたハンマーがオリジナルと全く違うもので、それを補うために鍵盤に埋め込まれた鉛の数のすごいこと。どうやってもとに戻そう結構悩まされました。
結局、ある程度は弾きやすくできたものの、もっと細かく検証しないといけないため、このピアノはここまで。もう一台のグランドピアノを運ぶことにしました。
次は本命のアップライトピアノの修理を再開したいと思います。