長らく会っていなかった人に再会するように、ピアノと再会することもたまにあります。
休日の朝、九にかかってきた調律依頼の電話。ピアノの上にコーヒーをこぼしてしまったというお話。電話の向こうでとってもあわてている様子。何とかスケジュールを調整して、その日の夕方お伺いすることにしました。
コーヒーをこぼしてしまうのは良くないけど、せめて弦とアクションにかかっていなかったのは救いでした。それとバランス・フロントのキーピンも。棚板は濡れて甘い香りが漂っていましたが。
しっかりふき取り、ピアノの内部に防湿機が搭載されていたのを確認したのでその日のうちに閉じることに。調律を終えてお客様と話していると、とても珍しい名字だったのでもしやと伺ってみたら、このピアノは十数年前に私が販売したものだったことが分かりました。
このお宅に越して来るまで4度も引越しを経験していたそうです。
ピアノに再会する喜び、うれしいです。