wpid-20160617112739.jpgかねてより参加したいと考えていたピアノ技術研修会に出席するため、九州に行ってまいりました。今回はなかなかの弾丸ツアーでした。普段はピアノの話題のみをご紹介していますが、すごく楽しい旅だったのでちょっと書かせていただきたいと思います。

まず朝は午前8時20分の飛行機ということで、始発で行けば十分に間に合うだろうということでバスに乗って空港まで行くことにしました。しかしやはりバスですし梅雨の雨の朝、遅れましたのは想定内でしたが、10分待ってもまだ来ないのには参りました。それでもまあ間に合うだろうと、バスターミナルでモノレールに乗り換えるためホームで待ちながら今回搭乗するLCCのチケットカウンターの場所を確認しておりました。そうしたらなんとターミナル1Fからさらにバスに乗って10分ほど移動すると知ってびっくり!慌てて駅を降りてタクシーをつかまえることにしました。

wpid-20160617112039.jpg通りに出ると運よくタクシーが来たので即止めて乗り込みました。そうしたらこのタクシーの年配ドライバーさんが法廷制限速度にも満たないスピードでとろとろ走るもんだからイライラMAX。ターミナルについてときはLCCシャトルバスの発車直前でした。

なんとかLCCターミナルに到着して飛行機に乗れました。LCCは少しでも遅れると例外なく乗せてくれないと聞いていたので本当に良かった。心臓に悪い朝でした。

wpid-20160617111324.jpg今回の目的は、研修会もそうですが数年前に当店でアップライトピアノを購入してくださったお客様のピアノの調律に行くことでもありました。その場所が鹿児島県霧島市。そして、九州に行ったらどうしても立ち寄りたいピアノ屋さんがありました。これをすべてクリアするにはどうしたらよいのかいろいろシミュレーションした結果、レンタカーを借りるのがベストと判断しました。沖縄本島に比べると移動距離が何倍にもなるので、運転はチャレンジではありましたけれども、なかなかできない経験であろうから良しとしました。

熊本県にその行ってみたいピアノ屋さんはありました。古城ピアノさんという地元のスタインウェイ特約店さんです。

wpid-20160617111603.jpgその楽器店さんを知ったきっかけは、ピアノ・テクニシャンズ・ギルドの会報誌、「ピアノテクニシャンズ・ジャーナル」の記事でした。その工房には「ピアノ歴史館」という、様々な古いピアノを展示しているという場所があるということで、写真を見ただけで魅了されてあこがれていました。残念ながら、最近の熊本地震の影響を受けて完全な状態ではなかったのですが、温かく迎えていただき見学させてくださいました。最初はスタインウェイのショールームを見学させてくださって、こちらもスタインウェイのグランドピアノが数台とシンメルやボストンなど様々なピアノの音を堪能させていただきました。福岡から1時間以上かけて到着したのですが、ピアノの音ですべて癒していただきました。

そして記事で見たピアノ歴史館へ。そうそう、この歴史館は平成音楽大学のすぐ近くで、平成音大は沖縄県から多くの学生さんが学びに行っている学校ということも社長さんはご存知で、共通の知り合いもいたので驚きました。

そしてこの歴史館で何よりも目当てにしていたのが写真のグランドピアノです。

wpid-20160617111413.jpgwpid-20160617111431.jpgwpid-20160617111449.jpg脚は三か所に各二本ずつの合計六本、製造は昭和8年という、なんとも歴史を感じさせてくれる一台です。アメリカでは六本脚のグランドピアノはさして珍しいものではありませんが、国内では現存数はほんの少し。私が把握しているだけでも三台です。フレームの形状も違うし、いろいろ構造も今のピアノとは違うのが伺えます。スペースが小さかったのであまり見ることはできませんでしたが、音は間違いなくGOOD!本当、ここまで来た甲斐がありました。

あと、下のアップライトピアノは昭和天皇の即位記念モデルとかで、象牙鍵盤のクオリティがものすごくよかったです。その他にも数台ピアノはあり、古いカタログや広告などの資料もたくさんあって、個人の所有とは思えないほどの内容でした。無理行って見学させていただいて、お昼ごはんまでいただいてしまい感謝しきりです。ありがとうございました。

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wpid-20160617111644.jpgそしてこの日最後の目的地、鹿児島県の霧島市へ。調律したピアノは、当店でオーバーホールしたヤマハのU1Dです。遠い海を越えても、素敵な音を奏でてくれていました。このピアノを所有するお客様が、私の同じ歳で同じ埼玉県を故郷とする縁からどうしても自分で調律したい気持ちで、またお客様も期待を寄せてくださっていたことから実現しました。調律の後は、お食事と宿までいただいてしまい、とても楽しい旅の夜を過ごしました。

wpid-20160617111819.jpg明けて次の日はいよいよ研修会。朝9時半に佐賀県の鳥栖市へ行くため、霧島市は5時半に出発。3時間に及ぶ長いドライブとなりました。朝日を見ながら、山々を見ながらの運転は楽しかったけどやっぱり眠かった。途中熊本のパーキングエリアで一休み。このとき、お土産屋さんにくまモングッズがたくさんあり、ぜひ買っていきたい気持ちになったものの、帰りの空港で買えばいいや、とスルーしたのは大間違い。福岡空港でくまモンを見ることはありませんでした・・・。

そしていよいよ研修スタート!二日間の研修会でしたが、いろいろあって二日間とも遅刻しました。同じ席で実習させていただいた調律師のみなさま、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。

今回の研修は「タッチウエイトマネジメント」という、ピアノのタッチに関する講義と実習。タッチが重い軽いといいますが、その実複雑な要素がいろいろ絡んでいて容易ではありません。その様々な要素と解決法を紹介してくださったのが講師の中村さんでした。

wpid-20160617111839.jpgwpid-20160617111703.jpgwpid-20160617112109.jpg中村さんとはFacebookで数年前に知り合い、そのときすでにブログでタッチウエイトに関する考察を紹介しているのを読んではいたものの、計算式や用語の理解が及ばず止まったままでした。なので今回の研修にはようやく出会えた経歴もあり、これまで疑問に思っていたことを一気に解決してくれる場となりました。

そして、実習のテーブルご一緒した調律師さんたちは初対面ではあるものの、やはりFacebookなどで間接的な知り合いがいたり、当店のブログを見たことがあるとおっしゃってくださったり、素敵な出会いに恵まれたと思います。二夜連続で懇親会にも参加させていただき、めちゃくちゃ楽しい時間を過ごしました。こういう機会は大切にするべきですね。また次の機会にも参加したいです。そうしたらまた霧島にも行けますし。

wpid-20160617112052.jpgというわけで、十二分に満喫した九州ツアーも終わり、無事那覇空港へ帰還!不在にしている間に沖縄は梅雨が明け、新しい季節が始まっていました。南国ピアノも新しいステージへ突入です。ガンガン頑張りたいと思います。

九州で貴重な時間を一緒に過ごしてくださった皆様、本当にありがとうございました!またお会いしましょう!!!