wpid-20150306101050.jpg先月ピアノをご購入くださったアメリカ人のお客様のところへ、納品後の調律に行ってきました。

多くの場合、ピアノを買っていただくのに、お父様にご理解いただくのが一番大変なんです。「ピアノわからないし」、「興味ないし」、「どうせ続かんでしょ?」。いやいやいや、続くかどうかは親次第です(結構本当です。続いているお宅では「続けさせるの大変」なんて言いながら、どうやったらピアノに向かうかを皆様試行錯誤されています)。

逆を言えば、ときおりお父様がノリノリでピアノを探すご家庭もあって、こういうところは話が早いです。特に当店のようにマニアック好きなお店にハマってしまうと「ここの部品は○○のメーカーがいい」と言ってみたり、自分でピアノは弾かないけど音を出してみて、「これ、いいね(^0^)」なんていってみたりされるとピアノ屋さんとしてもうれしい限りです。だいたいこういうケースではお母さまも「はいはい(^^)、お好きにどうぞ」なんて言ってお父様に任せるケースがほとんどですね。

しかし今回は違いました。ピアノを弾くのが好きなお父様に対してお母様が怖い怖い。買ってどうするんだとか、予算はこれ以上は譲らないとか、別に今決めなくてもいいじゃない、とか。ほぼ「こんなもの」扱いで、しかもピアノ屋さん本人の前でグサグサつきささるんですけど・・・(僕、英語理解してますから・・・)。まるでご主人が「買って買って?」といわんばかりに奥様をなだめる光景がちょっとおっかなかった。「ピアノはいいですよっ」なんて言った日にゃ、「だまっとけ」といわんばかりにキッと睨まれ、思わず目をそらしました(^^ゞ。

どうにか話もまとまってピアノをお届することができましたが、納品後の調律のときにまさか奥様しか家にいないとは意外でした。え?、まじっすか。なんか言われそうで怖いなあ・・・しかも人の顔見ても氷のような表情で・・・。なんて思いながらも、さっさと調律・点検を済ませて余計なことは言わずにオイトマしようともくもくと作業しました。

終わってから「それでは、気になることがありましたらいつでもご連絡ください」と言うと。「よかったわ。彼、楽しみにしてたからきっと喜ぶわよ」と最後はちょっと笑顔。な?んだ、あれだけ買うときは怖い顔していても、結局ピアノがお家に入って旦那が幸せそうに弾いてたら、自分もうれしかったわけですね。よかったよかった。

ピアノは家族を幸せにしてくれます(^^)。ちょっとうれしくなりました。