関東地方へ出かけ、お世話になっている調律師さんたちに会ったり勉強したりしてきました。いつも埼玉へ行くと必ず立ち寄るさいたまピアノ工房さん。今回は山梨の清水ピアノ調律所のお二人も来てくださり、ピアノの修理のことや仕事のことなどいろいろお話ができて有意義な時間となりました。一番印象に残ったのは、ピアノの巻線弦の銅線部分をなんとか簡単に外せないかという話でした。ピアノの巻線弦は鋼線に銅線が巻き付けられているもので、かなりタイトであるため簡単には外れません。そのまま出せばゴミですが、分ければ資源という、エコな話を真剣に語り合いました(^o^)。
ここではピアノの調律の基本を改めて指導していただき、今の自分に必要なことは何かを再確認してきました。
そして次の日は神奈川県へ足を運び、ある調律師さんとおよそ10年ぶりとなる再会をしてきました。この方は鎌倉ピアノ芸術社さんといって、私が屋号を「南国ピアノ芸術」にしたきっかけとなった人でもあります。スタインウェイの技術研修で初めてお会いしたとき、参加したみんなが「スタインウェイのピアノをしっかりお手入れできるようになりたい」という主旨で自己紹介した中、彼だけは「僕はスタインウェイを売るためにここに来た」とおっしゃったのが印象に残りました。ピアノが売れないと言われる昨今で、売るためにはどうすれば良いのか考え、実践し、イベントやコンサート、またときにはボランティア活動をして社会に貢献するスタイルは技術者という視点から見れば一風変わっているようでもピアノ屋さんとしてはとても大切なことだと思います。
まあ私の場合は一人なので「社」を付けるのは大きくなってからにしようと思いながらもう当店ももうすぐ丸七年になろうとしています。ますます頑張らねば。
その鎌倉ピアノ芸術社さんにお願いしてスタインウェイ公認修理工房の丸山ピアノさんにご案内していただきました。塗装を主に手がけている工房で、その完成度の高さには本当に驚かされました。そして、使っている道具、仕上げの手法など惜しげなくお教えくださり、まさに目からウロコが落ちる思いでした。
三日間の旅程で得るものはとても大きく、今後の作業に向けてのエネルギーをいただきました。